鎌倉殿の13人のキャストが続々と発表されています。大河ドラマは出演者が多くて整理しないとわからなくなってきますが、源頼朝を中心とする源氏一門をテーマに役割と出演者を紹介いたします。
源頼朝の家族
源頼朝の概要を簡単に説明します。その関係で説明を加えます。妾である八重姫、亀まで入れてしまいましたが、お許しください。
源頼朝(1147~1199) 大泉洋
この物語の前半の中心人物です。平治の乱の敗北により捕らえられて、伊豆に流され、北条政子と一緒になります。
平家を破り征夷大将軍となり、鎌倉幕府をつくり武家政権を発足させることになります。源氏の棟梁であり、伊豆にあっては貴重な貴公子を演じることになります。
大泉洋さんは大河ドラマ「龍馬伝」、「真田丸」に出演しました。今回は重要人物ですが、これまでに描かれた源頼朝はどちらかと言えばとっつきが悪いのですが、今回は少し垢抜けしていない感じがします。その分だけ、親しみやすい感じがしますが。
八重姫 新垣結衣
伊豆の伊東を根拠とした豪族であり、平家への信頼が強い伊東祐親の三女と言われています。
頼朝が北条政子に出会う前に関係ができ千鶴丸を生みますが、平家との関係を恐れた父伊東祐親によって千鶴丸は僅か3歳で殺されてしまいます。
その後、伊豆の住人に嫁ぐことになります。主人公北条義時の初恋の人に脚色されていると言われています。
新垣結衣さんは今回は大河ドラマ初登場、時代劇も初めてです。初回の印象では清楚な感じであらわれていました。今後どのように演じられるか、悲劇のヒロインをガッキーがどのように演じるかが見どころです。
北条政子(1157~1225) 小池栄子
この物語を最後まで見守ることになる源頼朝の正妻です。伊豆の小豪族の北条時政の娘でしたが、頼朝と関係ができてしまいます。
同じように父親からは反対され、別れることになりますが、それを抜け出して、頼朝のもとに走ります。ここら辺が見どころでしょう。大姫、頼家、実朝をもうけます。
頼朝亡き後、鎌倉幕府の精神的支柱として君臨することになります。
小池栄子さんは2005年の「義経」で巴役で出演しています。情熱的で強い意志を持った女性とされていますが、今回の劇の中では明るい感じの演出となっていました。
亀 江口のりこ
頼朝の寵愛を受けた妾とされていますが、頼朝が伊東にいたころから仕えていたようです。性格、容貌とも優れていたと言われています。ということは、頼朝はひょっとしたら、三又をかけていたようです。
この当時の貴公子としては普通にあることのようですが。北条政子の激しい嫉妬にあって家を壊されてしまうという災難にあっています。
その後はどうなったかは歴史では出てきませんので、どのように書かれているかが興味深いところです。
江口のりこさんは2015年の「花燃ゆ」の日出以来の出演です。
大姫(1178~1197) 南沙良
頼朝、政子の長女ですが、木曽義仲との和睦を結ぶため、事実上の人質となった木曽義仲の嫡男・木曽義高が鎌倉に来て、大姫と婚約します。
婚約と言っても小学校ぐらいの年でしたのでどのくらいの認識があったかはわかりませんが。
木曽義仲との争いが起こり、義仲敗北に伴い、義高が処刑されてしまいます。このことで精神的なショックを受けて病むことになります。純粋な娘として描かれると思います。
南沙良さんは時代劇初登場、大河ドラマも初登場です。
源頼家(1182~1204) 金子大地
頼朝の嫡男で第2代の征夷大将軍、鎌倉殿、となります。将軍職に就いてから独断専横が問題となり、13人の合議制成立のきっかけとなります。
やがて将軍職を追放されたうえ、幽閉されたのち殺害されたとされています。とても難しい役柄になると思います。
金子大地さんは大河ドラマ初登場、時代劇も初登場です。
源実朝(1192~1219)
頼朝の二男で第3代の征夷大将軍、鎌倉殿となります。政治は執権である北条氏が行っていましたが、次第に政治に関与するようになります。
京の評判も良く、性格も良かったようで、順調に成長し将来が楽しみとされていたようですが、頼家の子の公暁によって鶴岡八幡宮で暗殺されてしまいます。優れた歌人としても有名です。
まだキャストが決まっていませんが、この好青年を演出するのは誰でしょう。
源頼朝の兄弟・親族
源頼朝に関係する兄弟と源氏を名のる親族についてまとめてみました。
源範頼(1150~1193) 迫田孝也
母は遠江国池田宿の有力者の娘で、平治の乱の後は、養父・藤原範季に保護されて育ちました。頼朝挙兵後に参戦し、以後頼朝に従います。
幕府成立後頼朝に疑いをかけられ、伊豆に配流され処刑されたと言われています。かなり誠実な人なのですが、疑いをかけられてしまう悲劇の人ですね。
迫田孝也さんは大河ドラマ「真田丸」、「西郷どん」に続き出演です。「西郷どん」では江藤新平でした、今回も悲劇の人になりますね。
阿野全成(1153~1203) 新納慎也
母は常盤御前です。平治の乱以降醍醐寺で出家させられます。頼朝挙兵で参戦し頼朝に従います。政子の妹の阿波局と結婚し、後の実朝の乳母父となります。
頼家派と実朝派の対立に巻き込まれ、常陸国に配流されて誅殺されます。着実に地歩を固めていったのですが、権力闘争の中で命を奪われる悲劇の人と言えるでしょう。
新納慎也さんは「真田丸」で豊臣秀次、「青天を衝け」で島津斉彬を演じています。今回も重要な役割ですね。
源義経(1159~1189) 菅田将暉
母は常盤御前です。鞍馬寺から奥州の藤原秀衡の庇護を受けて、頼朝挙兵後参加します。
天才的軍略家として知られていますが、やがて頼朝と対立して奥州藤原家を頼りますが、秀衡の後の泰衡に攻められて自害します。平家との戦いのヒーローですが、悲劇の主人公でもあります。
菅田 将暉さんは「おんな城主直虎」で井伊直政役で出演しております。今回も人気者の役ですね。
郷(里)御前(1168~1189) 三浦透子
あまり知られていないけれど源義経の正妻です。源頼朝の乳母として有名な比企尼の孫になり、武蔵国の最大の豪族河越氏の娘です。源頼朝の計らいにより義経の正妻となります。
頼朝と義経は1年後には決裂してしまうため、そこから悲劇が始まるのです。最後まで義経に付き添うことになります。
三浦透子さんは女優と歌手として活躍されている方です。最近では「ドライブマイカー」に運転手役として出演し好評を得ました。
静御前(生没年不詳) 石橋静河
源義経の愛妾として有名ですね。この物語の前半のヒロインの一人と言っても良いでしょう。もっとも中心が鎌倉幕府ですから、鶴岡八幡宮で舞を舞う場面は有名でしょうから欠かさずに出てくると思われます。
石橋静河さんは父は石橋凌、母は原田美枝子と、姉は石橋優河という芸能一家に生まれています。既にダンサー、女優としても相当の実績を持っていらっしゃいます。
武蔵坊弁慶(生年不詳~1189) 佳久創
義経の家来として誰でも知っているという有名人ですよね。
これに佳久創さんが出演することが決まりました。元ラグビーの日本代表という異色の経歴の方で、お父さんは元中日の郭源治投手です。もちろん大河ドラマ初登場です。
源行家(1141~1186) 杉本哲太
源為義の十男ですから、頼朝の父・義朝の弟になります。頼朝から言えば叔父さんです。諸国の源氏に以仁王の挙兵にともない令旨を伝え歩きます。
頼朝と対立し義仲と行動を共にしますが、途中で、頼朝と対立した義経と行動を共にします。しかし、義経の都落ちに際して、和泉国に潜伏しますが、鎌倉側に捕らえられて処刑されます。
杉本哲太さんは大河ドラマでは既に7作に登場しています。今回も手堅く演じてくれるでしょう。
木曽義仲(1154~1184) 青木崇高
父・源義賢は義朝の弟になります。従って頼朝とは従兄弟関係です。
父の義賢は保元の乱の前哨戦、源氏内部の対立により、武蔵国比企郡に館を構えていましたが、頼朝の兄・源義平に襲撃され討たれてたれてしまいます。義仲は木曽に逃れて育ちます。
従って頼朝との関係は良好とは言えませんでしたが、以仁王の令旨を受けて挙兵し、平氏の大群を破って京を制圧し朝日大将軍と呼ばれます。
しかし、京での不興をかい、頼朝が差し向ける範頼・義経軍に敗れて討たれてしまいます。
青木崇高さんは大河ドラマでは、「龍馬伝」で後藤象二郎、「平清盛」では弁慶、「西郷どん」では島津久光を演じています。今回も重要な役をこなされるでしょう。
巴御前(生没年不詳) 秋元才加
巴御前は木曽義仲の愛妾として知られています。色白で武勇は男勝りです。木曽義仲に最後までしたがって、最後の7騎になったときに、義仲から女性とともに死ぬわけにはいかないと別れることになります。その後の消息は不明です。
秋元才加さんはAKB48の元メンバーとして有名でしょう。フィリピンとのハーフでスポーツが得意なようです。ドラマには相当出演されていますが、時代劇はほぼ初めて、大河ドラマも初めての出演になります。
木曽義高(1173~1184) 市川染五郎
木曽義仲と源頼朝の対立関係の代償として、頼朝側に11歳で預けられます。
名目は頼朝の長女大姫の婿としていますが、木曽義仲が討たれたのちに、義高も誅殺されることになります。一旦は大姫の手配で脱出に成功しますが、捕らえられて討たれてしまいます。
市川染五郎さんは大河ドラマ初出場です。若々しい演技が見ものです。
竹田信義(1128~1186) 八嶋智人
甲斐源氏の第4代当主です。源義朝・頼朝父子とは相当遡って別れている源氏の系統です。同じように以仁王の令旨を受けて挙兵することになります。
頼朝挙兵後の石橋山の戦いで大敗した頼朝軍の中には甲斐源氏を頼って逃げこんだ者も多くありました。富士川の戦いでは頼朝軍と協力して平家を破っています。
一時は、源頼朝、木曽義仲と武家の棟梁を争う立場にありましたが、内部抗争などで段々頼朝に屈服する立場になっていきます。
八嶋智人さんは大河ドラマは2作目です。前回「新選組」では新選組5番隊隊長の武田観柳斎を演じられていました。
鎌倉殿の13人の源氏一門のキャストを紹介のまとめ
鎌倉殿の13人の中で、源氏一門のキャストを紹介しました。分類としては源頼朝の家族と兄弟、親族に分けてあります。こうしてみると、かなりの人が悲劇の終末を迎えていて、哀しくなりますね。
ドラマの中には良い時も、悪い時もあって、いろいろ楽しめるのですが、今と比べても、やはり人間の命が軽い時代ですので、少し気が滅入るかもしれません。
しかし、この鎌倉時代前期はかなり陰謀が充満していたので、そこらを考えながら見るのも良いでしょう。